【ざつ旅の聖地はどこ?モデル地・舞台スポット総まとめ【That’s Journey】】

伏線考察・意味解説
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ふとしたきっかけで旅に出たくなることがある。それは目的地よりも、〈決め方〉に心が動くからかもしれない。
『ざつ旅 -That’s Journey-』の主人公・鈴ヶ森ちかは、SNSのアンケートで行き先を決めるという“雑”な方法で、全国を巡る。旅の準備も、目的も、その途中にある会話や景色も、すべてが〈成り行き〉に委ねられている。

しかし、その成り行きが生む風景は、どうしてこうも印象深いのだろうか。
この作品には、「物語が進むから場所がある」のではなく、「場所があるから物語が起こる」という逆転の美しさがある。

本記事では、『ざつ旅』に登場する聖地=舞台・モデル地を総まとめし、その土地がなぜ物語に選ばれたのか、どんな情景を描き出しているのかをひとつずつ辿っていきます。

『ざつ旅 -That’s Journey-』とは?

漫画『ざつ旅 -That’s Journey-』(著:石坂ケンタ)は、「電撃マオウ」(KADOKAWA)にて連載中の旅エッセイ風フィクションです。
主人公・鈴ヶ森ちかは、漫画家志望でありながら、創作の行き詰まりや将来への不安から、ある日ふと旅に出ることを決めます。その行き先は、自身のSNSフォロワーに「東西南北」のアンケートで投票してもらい、結果に従って決定されるというもの。

タイトルにある“ざつ(雑)”とは、いい加減であると同時に、決めすぎないことの潔さを表しています。予定通りにいかなくてもいい、効率を求めない。
“寄り道”と“想定外”に満ちたその旅は、かえって本質的な発見や、静かな感情をもたらします。

作中では、ちかが各地で出会う人々とのやりとり、風景との偶然の邂逅、そして旅先で心の底にふと湧き上がる思索が、控えめなモノローグとともに描かれていきます。

「なぜ、その場所に行くのか」を問わず、「たまたま、そこだった」から始まる物語──
だからこそ、読み手は自分の記憶にある風景や、かつての旅の余韻と、そっと重ね合わせることができるのかもしれません。

ざつ旅の聖地巡礼とは──ファンが旅に出る理由

漫画やアニメの舞台となった場所を実際に訪れる「聖地巡礼」は、今やカルチャーとして定着しています。
けれど、『ざつ旅』におけるそれは、他の作品とはどこか趣が異なります。

この作品に登場する場所は、いわゆる観光地としての「名所」だけではありません。
駅前のベンチ、川沿いの歩道、知られざる温泉地、小さな無人駅──その多くが、地元の人々にとっては日常の一部であり、旅人にとっては偶然の出会いにすぎません。

それでもファンは、ちかが立ち寄ったその「ありふれた場所」に惹かれ、地図を片手に実際の土地を訪れます。
そこで目にする風景は、派手さこそないものの、作中の空気と同じ、静かであたたかな時間が流れている。

『ざつ旅』の聖地巡礼とは、誰かと同じ景色を眺めることではなく、「同じ偶然に触れてみたい」という、ちょっと風変わりな願いのかたちなのかもしれません。

ただその場所に立つだけで、ちかの旅路に、自分の過去の記憶や感情が重なっていく。
それは、観光とは違う、「物語との距離感を静かに測る」旅なのです。

作中に登場するモデル地・舞台スポット一覧

ここでは『ざつ旅 -That’s Journey-』で描かれた実在の舞台を、登場順にご紹介します。
旅のはじまりから最新話まで、それぞれの土地に刻まれた風景と物語を、静かに振り返っていきましょう。

会津若松(福島県)|第1旅

鈴ヶ森ちかの最初の旅の舞台。
鶴ヶ城や飯盛山、七日町通りなど、歴史と町並みが共存する風景が印象的に描かれます。
物語のはじまりにふさわしく、どこか不安を抱えながら歩くちかの姿が、この地の静謐さとよく響き合います。

松島(宮城県)|第2旅

日本三景のひとつ、松島湾を望む旅。
瑞巌寺や五大堂といった観光地はもちろん、少し離れた場所での独り言や風の音までが印象的に描写されます。
自然と文化が調和するこの土地で、ちかは“話さない旅”の豊かさに気づいていきます。

黒部・宇奈月温泉(富山県)|第3旅

北陸の秘境とも言える黒部峡谷の地。
宇奈月温泉駅から黒部峡谷トロッコ電車に乗るシーンや、峡谷沿いの橋梁風景は、まるで実際の旅行記のよう。
「何もない」を受け入れる心の静けさが、この土地の魅力として浮かび上がります。

高松(香川県)|第4旅

“うどん県”として知られる香川の県庁所在地。
地元のうどん屋に立ち寄るだけでなく、商店街や港周辺など、市井の風景がリアルに描かれます。
ちかの旅に初めて“味”が加わった回でもあり、日常のなかの特別が浮かび上がる旅です。

天橋立(京都府)|第5旅

「股のぞき」で知られる、日本三景のひとつ天橋立。
ビューランドからの眺望、海を分ける砂州の上を歩くシーンなど、どれも絵葉書のように美しい構図で描かれます。
ただしその美しさは、“記念”ではなく“通過”として描かれる点が、『ざつ旅』らしい魅力でもあります。

粟島(新潟県)|第7旅

新潟県岩船郡に位置する小さな離島。
フェリーで渡るその行程からして、“予定調和の旅”とは一線を画します。
作中では、波音とともに過ごす無為な時間や、島の人々とのふとしたやりとりが丁寧に描かれ、まるで読者自身が“島時間”に包まれているかのような錯覚を覚えます。

伊勢(三重県)|第8旅

伊勢神宮を中心とした、精神性の高い旅。
内宮・外宮の参拝はもちろん、おはらい町の通りを歩く場面、赤福を食べる一幕など、誰もが知る観光地が“素顔のまま”描かれています。
ちかの心の揺れが少しずつ静まっていく様子が、この場所の空気に染み込むように描写されます。

宮島(広島県)|第9旅

海に浮かぶ大鳥居で知られる、世界遺産・厳島神社のある島。
観光名所としての華やかさとは裏腹に、夕暮れ時の路地や鹿との距離感など、どこか“旅の終わり”を感じさせる描き方がされています。
派手さの中にある寂しさ──『ざつ旅』が得意とする情感が濃く表れた回です。

八甲田山(青森県)|第10旅

冬の厳しさに包まれた、雪の八甲田山。
ホワイトアウトする吹雪の中、ちかが宿と宿の間を移動する姿が、過酷である一方、静謐でもあります。
「旅は自由」ではなく、「旅は時に容赦がない」という事実を受け入れる一旅。
その冷たさすら、作品の温度として記憶に残ります。

串本(和歌山県)|第11旅

本州最南端の町・串本。
潮岬灯台や海金剛など、岩礁と海風にさらされた風景が、画面いっぱいに広がります。
旅に慣れてきたちかの、ほんの少しだけ“大人びた”表情が、ここでは描かれています。

その他の舞台

この他にも、北海道・長崎・甲府・小田原など、現在も連載が進むなかで続々と舞台が追加されています。
SNS投票で行き先が決まるという構造上、予測不可能な場所が選ばれる楽しさも、ファンを惹きつけてやみません。

実際に訪れる前に知っておきたいこと

『ざつ旅』の舞台を巡る旅は、観光ガイドをなぞる旅とは少し異なります。
それだけに、事前の下調べや心構えがあることで、より豊かに“ちかの旅”を追体験することができます。

アクセス情報と現地の環境

作中に登場する地の多くは、都市部から離れた場所や、アクセスに少々手間がかかる地域もあります。
たとえば粟島のような離島や、八甲田山のような雪山地帯は、季節によって交通手段が限られることも。

また、会津若松や松島、伊勢神宮などの観光地では週末や連休に混雑する可能性があります。
作品の“静けさ”に近い空気を味わいたい方は、平日や朝夕の時間帯を選ぶのがおすすめです。

地域ごとの文化や季節の違い

一口に“巡礼”といっても、土地ごとに体感する風景や空気感は大きく異なります。
黒部の渓谷美は初夏から秋が美しく、八甲田山は冬の厳しさの中に魅力があります。

高松ではうどん屋の営業時間や“朝うどん”文化を意識すると、その地の“時間の流れ”が肌で感じられます。
旅のスケジュールを詰め込みすぎず、土地の空気に任せることも『ざつ旅』的な旅の味わい方です。

巡礼時のマナーと配慮

聖地巡礼の最大の前提は、「現地の人々の暮らしがある」ということ。
民家の近くでの写真撮影や、大きな声での会話、立ち入り禁止区域への侵入などは、決してしてはなりません。

作品の中で描かれる旅も、常に〈静けさ〉と〈距離感〉が保たれています。
あくまで“誰かの日常の中に一時お邪魔する”という意識を持って、作品世界を感じてください。

おすすめの“ざつ旅的”巡礼の仕方

『ざつ旅』の魅力は、きちんとした目的や計画がなくても、“そこに行くこと”自体が物語になる点にあります。
聖地巡礼というと、作中のシーンを完璧に再現したり、写真を撮ったりという行動が主流ですが、『ざつ旅』では「感じ方」そのものが旅の中心にあると言えるでしょう。

予定を詰めすぎない

一日の行程を綿密に組むよりも、「午前中はあの駅で降りてみよう」「昼はたまたま目に入った定食屋に入ろう」といった、“行き当たりばったり”の選択が、かえってちかの旅らしさに近づけてくれます。

観光ガイドの地図を持つよりも、少し色あせたローカル線の時刻表を手に取るような──そんな不確かさのなかに、『ざつ旅』は息づいています。

その場で「見つける」ことを楽しむ

『ざつ旅』の旅先には、SNS映えするような派手な観光地ばかりが登場するわけではありません。
むしろ、何の変哲もない踏切や、天気の悪い坂道、静まり返った夜の公園など、“普通の風景”が特別に感じられる瞬間が描かれています。

だからこそ、旅先で見つけた小さな標識や、思いがけず耳にした方言、そこにしかない匂い──そんな些細な発見こそが、ちかの旅に繋がっていく感覚なのです。

「これは物語だ」と思える瞬間を大切に

電車の窓から見た夕陽、偶然入った店で出会った人、乗り過ごした駅からの遠回り。
そういった、予定になかった出来事の中に、「これは物語だ」と思えるような瞬間が、静かに訪れることがあります。

『ざつ旅』をなぞるだけでなく、自分自身の“ざつ旅”を、どこかで始めてみる。
それは、巡礼ではなく、“物語の継続”かもしれません。

まとめ

『ざつ旅 -That’s Journey-』に描かれる旅は、決して華やかではありません。
行き先も、目的も、旅の中での出来事も、「雑」に見えて、その実、丁寧に〈偶然〉と〈感情〉が編み込まれています。

本記事では、そんな旅の足跡を辿るように、作中に登場したモデル地や舞台、聖地巡礼のあり方についてご紹介してきました。

会津若松の雪、松島の静けさ、宇奈月温泉の湯けむり、八甲田山の白。
そこに実際に足を運ぶことで、紙の上の旅が、自分だけの風景として立ち上がってくる──
それはきっと、“追体験”ではなく、“私だけのざつ旅”なのです。

予定を立てすぎず、寄り道をして、時には迷って、見知らぬ土地で誰かの優しさに出会う。
そんな、どこにでもあるようで、どこにもない物語を、どうかあなた自身の旅として静かに歩いてみてください。

そして旅の終わり、ちかと同じように、少しだけ肩の力が抜けた自分に気づけたなら。
それはきっと、“いい旅”だったという証なのだと思います。

見逃した、と思っても大丈夫。

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