曜子が手にした一枚の古地図が、静かだった研究室の空気を変えた。そこに描かれていた“採掘場の跡地”は、蛍石という儚くも鮮烈な出会いの場へとつながっていた。
第3話「残された恒星」では、初めての採集現場に足を踏み入れた3人が、それぞれの“見ているもの”を確かめるように、光と静寂を味わっていく。
“お宝の匂いがする!”とルリが呟いた瞬間から、場面は空気を変えた。ざらりとした地面の感触と、暗闇の中に浮かぶ淡い蛍石の光。感情ではなく、触覚と温度で語りかけてくる映像に、思わず身体が前のめりになる。
曜子が運んだ風が、閉ざされた廃坑を揺らした
第3話は“光の静寂”が支配する。喋りすぎない。説明しすぎない。けれど、ルリの瞳に灯った輝きは、それまでよりもずっと眩しかった。
曜子が手にした古地図。その紙の質感まで聞こえてくるような一瞬だった。軽く笑って「お宝の匂いがする」と呟くルリに、曜子も凪もほんのわずかに目を細める。空気が、ひとつ和らぐ。
廃坑に向かう山道。落ち葉を踏みしめる音。斜光に反射するルリのリュック。そこにただの“遠足感”はない。曜子がいることで、3人の関係性が少しだけ大人びていく。
曜子の視線が引き寄せた、紙の向こうの風景
曜子が地図に目を通した時、場面はほんの少し緊張した。ルリの熱が走った。凪がそれを許した。3人の間に流れた目に見えない空気は、そのまま廃坑へとつながっていく。
曜子の言葉は少ない。ただ、地図を手にした瞬間の指先の角度、微かな笑い。それだけで“この人は信じられる”と感じさせる強さがあった。
瓦礫の向こうで光ったもの
廃坑の奥、湿った岩肌。誰も喋らない。その中で「うわ……」というルリの声が、光を浴びる。
光っていたのは、蛍石だった。削岩で割れた断面に残った、青と緑のきらめき。凪が膜を削り、曜子がライトをかざし、ルリが息を呑む。
空気が止まり、時間が滲んだ。光だけがそこにあった。
“宝石”は、誰の心に残ったか
蛍石の前で、ルリが言う。「もっと掘りたい」。その言葉に、曜子がそっと頷く。凪は何も言わず、工具を片付ける。
声に出した人、頷いた人、黙っていた人。それぞれの“距離感”が、蛍石の前で静かに変わった。
曜子が運んだ風。それは、ルリの心に火をつけ、凪の静寂にひびを入れたのかもしれない。
蛍石が語った“光の記憶”
廃坑で見つかった蛍石は、ただの鉱石ではなかった。薄暗い空間の中で唯一、色を持って語りかけてきたもの。それは記憶のように静かで、触れたくなるほど近い。
光を反射するその結晶は、ルリたちの沈黙と呼応していた。誰も言葉を挟まなかった。代わりに、指先と呼吸だけが会話になっていた。
静寂の中で鳴った“キュッ”という音
凪が工具で蛍石の被膜を削った瞬間、乾いた音が響いた。湿った坑道の中で、それはよく通った。空間が震える。
曜子はライトを掲げ、ルリが身を乗り出す。無言だった。でも、その姿勢がすべてを語っていた。
光が届いたその時、蛍石は青く、緑に、揺れながら色を返す。冷たい空気にその温度だけが浮いていた。
曜子の知識と、凪の感覚と、ルリの直感
曜子が淡々と鉱石名を口にする。その声が背景になるように、ルリが「……これ、蛍石?」と小さく呟く。
凪は無言で頷いたようにも見えた。その場面、誰も主張せず、でも三人とも確かにその場所にいた。
曜子は“名付けること”で確かめ、凪は“削ることで”掘り出し、ルリは“感じることで”受け取った。
蛍石は、三人それぞれに違う記憶を見せたのかもしれない。
「これは、お宝」ルリの一言が光を抱いた
“お宝”という言葉が、チープに響かない場面だった。だからこそ、ルリの声がしみた。
大げさに喜ばない。興奮を表に出さない。けれど、ルリの目が、きらめく蛍石と同じ光を宿していた。
曜子がそれを見ていたかどうかは分からない。でも、彼女がルリの一言に頷いたのは確かだった。
蛍石に名前をつけた瞬間、その光はただの鉱物ではなくなっていた。
曜子という“第三の視点”がもたらした変化
曜子の登場は、静かだったルリと凪の時間に、新しい風穴をあけた。彼女は笑いながら地図を手に取り、当然のように廃坑への足を踏み出した。
第3話の魅力は、この曜子というキャラクターが“入ってきたこと”による空気の変化。視点が一つ増えたことで、見えてくるものも増えた。
凪と曜子の“過去の匂い”
曜子と凪の会話は短い。でも、その間に漂うのは“知っている者同士”の間合いだった。
曜子が「懐かしいな」と呟く場面、凪は何も返さない。ただ視線を落とす。
過去を語らないことで語る二人。それが今の空気を変える。
曜子に対するルリの一瞬の緊張
ルリは曜子に対して少しだけ背伸びをする。早口になる、言葉が多くなる、笑い方が変わる。細かい変化。
それはたぶん、曜子という“知っている世界”に対して、自分の“知らない部分”を意識したから。
でも廃坑で蛍石を見つけた時、ルリは曜子の存在を忘れていた。そこにはただ、光と向き合う彼女がいた。
曜子の“引き出す力”
曜子はルリを導かない。ただ、横に立っている。それがルリにとっては“許可”になる。
ルリが「もっと掘りたい」と言ったのは、曜子がいたからだったのかもしれない。
曜子の目線は鋭く、でも優しい。その存在感が、ルリの言葉を自然に引き出す。
“引っ張らずに、引き出す”曜子。彼女が加わったことで、この物語にもう一段深さが加わった。
見逃し配信・ 視聴情報まとめ
「瑠璃の宝石」第3話「残された恒星」は、現在複数のプラットフォームで 視聴可能。見逃した方も、今からでも間に合う。
地上波と同時配信されたPrime Videoをはじめ、TVerやニコニコ生放送で 見逃し配信も実施中。
ABEMA、TVer、ニコニコで
- ABEMAプレミアム:放送後すぐに見放題配信
- TVer:2025年7月9日正午から 見逃し配信
- ニコニコ生放送:同じく7月9日正午から配信
それぞれ視聴期限が異なるため、早めのチェックを推奨。
配信プラットフォーム早見表
| Prime Video | 地上波と同時配信(見放題) |
| ABEMAプレミアム | 配信直後から見放題 |
| dアニメストア | 最新話まで見放題 |
| Hulu | 2週間 トライアル対応 |
| U-NEXT | 31日間 トライアルあり |
| TVer | 7月9日より 開始 |
| ニコニコ生放送 | 7月9日より 開始 |
配信期限・ 期間などの詳細は、各公式サイトをご確認ください。



